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プロポーズ3









思い出なんてものは、自分にも必要のないものだと思っていた。
だが坂本となら悪くない。嫌、坂本となら、これからどんなことでも残していき
たい。
それが俺の本音だと、気付かされた。

二人で俺の家に帰り、部屋へ入ると電気も点けずに坂本をベットへと押し倒した。
「加減しねーからな」
「いつもしねーじゃねーか」
二人で笑いながらキスを交わす。
坂本の初めての相手は、俺だった。
坂本は中学の時から俺が好きだったと一年の時告白された。
坂本への想いを封じる為だけにオンナを作っていた俺は、その坂本の言葉で全てが
手に入ったような気がした。それほどまでに、大きな意味を持つ告白だった。
当然オンナともすぐ別れた。
それからは坂本しか見ていない。興味も湧かなかった。

キスをしながら、学ランのボタンを外していく。
深い口づけで坂本の弱い所を舌で刺激していくと、坂本の体から力が抜けていくのが
わかった。
首筋にキスを落とし続け、学ランの下、Tシャツの裾から手を差し込むと坂本の体が
緊張したのが分かった。
いつまでも慣れない反応は俺を楽しませる。
「いいかげん、慣れろよ」
「・・・っるせ・・・あっ」
悪戯に胸の突起をひっかく。ここも坂本が弱い場所だ。
Tシャツをまくりあげ、その突起を口に含む。
舐め、吸い上げていくうちにそこは固さを増し、軽く噛めば坂本の体がしなった。
「あ、あ・・・葛西・・・」
同時に布越しに坂本自身を撫でまわす。
「葛西・・・それ・・・やだって・・・」
「嘘つけ」
その証拠に、それはどんどん反応を示していた。
ベルトを外し、直に手に握りこむ。
坂本がぎゅっと目を瞑った。
上下へ手を動かすと、坂本は腰を揺らしながら首を振って快楽から逃げようとする。
俺はその反応を見ながら、徐々に口づけを下へと移して行った。
「!・・・葛西!」
流石に意図に気付いたのか、坂本が俺の頭を掴んで行動を止めようとする。
だが全然力の入っていない抵抗に、俺は遠慮せずに行為をすすめた。
「ああ・・・!!」
坂本自身を口に含む。
坂本はこの行為が苦手だった。あまりにも恥ずかしいからもうやめろと言われた
ことがある。だが今日は好きにやらせてもらう。
裏筋をなめ上げ、口内に含み上下へと動かす。坂本の硬さがどんどん増してきた。
「葛西・・・葛西・・・!や、め・・・!」
「やめてキツイのはお前だろ」
「やめ・・・しゃべんな!」
話した時の空気の流れにさえ、刺激されるらしい。
俺は動きを早くした。坂本の限界が近いらしい。足がびくびくと震えている。
「や、も・・・出る・・・!!」
「出しちまえ」
「あっ・・・ああ、あー・・・!」
先端に歯で刺激すると、それが合い図だったかのように坂本は達した。
坂本のイク時の顔は俺をかなり煽るものだった。
まだ息も整わない坂本から洋服を取り去り、俺自身も衣類を取り払うと、涙目の
坂本が腕を広げてきた。
俺はそのまま坂本を抱きしめる。
「この・・・馬鹿・・・」
俺に抱きつきながら悪態をつく坂本に笑みがこぼれる。
俺はベットの脇に置いてあったローションを片手で開け、手に取ると奥へと手を
伸ばした。
坂本にキスをしながら、一本、二本と指を増やし、坂本の弱い場所を刺激する。
その度に坂本は反応を示し、俺を煽った。
指が三本まで入った所で指を抜き取り、俺自身をあてがい、坂本の呼吸に合わせて
奥へと押し込む。
もう幾度となくしてきた行為だが、慎重にやらないと下手したら傷つけてしまう。
「大丈夫か」
全て入った所で坂本のカオを見る。
「ああ・・・へい、き、だ・・・早く動けよ・・・」
「っ!この馬鹿!」
ただでさえ持っていかれそうになっている状況の中、抱きつかれてそんな言葉を
吐かれたらもう止める術がない。
俺は自分の思うままに腰を進めた。坂本の弱い所を狙い腰を打ち付ける。
「ああ!ああ!か、さい!あ!あ!」
「っ・・・坂本!」
ベットのスプリングがギシギシと揺らぐ。
弱い所を攻められ続けた坂本と、坂本に煽られ続けた俺が達したのは同時だった。





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