<<SS



あの頃5





坂本はだだっ広い葛西の家に葛西と共に着いた。
先ほどから顔の熱が取れてくれない。

部屋へ入ると、葛西は後から坂本を抱きしめた。
こちらへ振り向かせて、口づける。

「うわ!」

唇を離すと、坂本の体を持ち上げベットへと放った。
そのまま上にのしかかる。

「緊張するなよ」
「む、無理言うな・・・」

自分を見上げてくる坂本の目に、こんなにも煽られるのかと思った。
軽い口づけを送りながら、坂本の学ランに手をかける。
ボタンを全て外し終わったら、Tシャツの中に手を差し込んだ。
坂本の体が強張るのが分かった。
自分でも、男の体に触る日が来るとは思ってもいなかった。
坂本だけが、特別なのだ。

胸を撫で廻し、悪戯に突起に触れた。

「あ・・・!」

坂本の体がピクンと跳ねた。

「ここ、感じるのか」
「違・・・!!」

葛西は坂本のTシャツをまくりあげて、その突起を口に含んだ。

「あぁ!・・・やめ!」

舌でころがし、軽く噛んでいくとその突起はどんどん固くなってきた。
もう一方も、手で弄ぶ。
その都度、坂本の口からは艶のある声が響き、葛西を興奮させた。

葛西は下へと手をのばした。

「葛西・・・!やめ・・・!」
「聞こえねー」

ベルトを外し、中へと手を差し込む。
坂本自身を握りこむと、もう幾分か反応を示していた。

「ああ・・・!!や・・・!!」

ズボンと下着を一気にずりおろして、握っていた手を上下へ激しく動かす。
感じている坂本の様子は葛西にとってかなり刺激的だった。
坂本の硬さが増してくる。限界が近いのか、足がビクビクと震えていた。

「か、かさい・・・!離せ・・・!!」

葛西の体にしがみつきながら、坂本が喘ぐ。

「いいぜ、このまま出しちまえ」
「で、でも・・・あ・・・あ・・・」
「ほらよ」

先端を親指でひっかくと、それが合い図だったかのように坂本は限界に達した。

「ああ!!」

イッた時の坂本の顔を見て、葛西は喉をならした。
当たり前だが男のイク時の顔なんて初めて見た。興味もなかった。
だが坂本の顔を見て、葛西自身の熱が増した。

坂本は葛西の手に白濁を放った。
息が荒い。そして顔が真っ赤だ。

「よかったか」
「ばか・・・やろ・・・」
「これで終わりだと思うなよ」
「・・・うん」
「男同士のヤリ方、知ってるか?」

坂本は赤い顔のまま頷いた。
同級生が、面白半分に言っていたのを聞いていたのだ。
まだ自分の気持ちに気づいていなかった葛西は「気持ち悪ぃ」で済ませたが、坂本は
苦笑するだけだった。

坂本が放ったものが残された手を、更に奥へと伸ばす。
滑りを良くするためにそこに塗り込み、一本指を入れてみた。

「ん・・・!」
「痛ぇか?」
「いや・・・平気だ・・・」

坂本の表情を伺うと、強がりを言っているわけではなさそうだ。

「ちょっとこのまま我慢してろ」

そう言って、葛西は指を奥まで押しこみ、坂本のナカをかきまわした。
すると、ある一点をかすめた所で坂本の体が跳ね上がった。

「ああ!!」
「ここか」
「ああ・・・!!や、やめ・・・葛西!!」

ビクビクと坂本の体が震える。
葛西は容赦なくそこを攻めた。
坂本の様子を伺いつつ入れる指の本数を増やしても、苦痛は感じていないようだった。

「葛西・・・!!葛西・・・!!そこ・・・やだ・・・!!」
「うるせえよ」

葛西もそろそろ限界だった。
快感に身を委ねる坂本にかなり煽られてしまっていたのだ。
葛西は指を抜き、学ランを脱ぎ捨てズボンのファスナーを開けた。
坂本の後孔にあてがうと、坂本の体が緊張したのが分かった。

「悪ぃな。止まらねえ」
「・・・うん」

葛西は坂本へと自身を押し込んだ。
坂本は苦しそうにしたが、もう止まれなかった。
それでも一気に押し込まず、坂本の呼吸に合わせて徐々に自身を埋め込んでいった。

「はあ・・・はあ・・・」
「痛ぇか?」
「痛ぇ・・・苦しい・・・」

そう言った坂本の顔を見ると、言葉とは裏腹に目は穏やかな色を浮かべていた。

「余裕じゃねえか」
「余裕なんか・・・ねぇよ・・・」

坂本は葛西の首へ腕を廻した。

「か、さい・・・好きだよ・・・」
「・・・っ!この馬鹿」

坂本の言葉が起爆剤になってしまった。
葛西は一気に腰を進めた。

「ああ!あ!あ!」
「・・・っ!」

坂本の中は熱く、油断をしたら持っていかれそうだった。
葛西は角度を変えながら坂本を攻めた。
そうしてさきほどの所に当たったのか、坂本の声が一層強くなった。

「あああ!!」
「ここだな」
「か、さい・・・そこ・・・!!」
「いいんだろ、ここ」

坂本の腰が無意識に揺れている。
せがまれているようで、葛西はそこを攻め続けた。
坂本の声からはもう意味のある言葉は出てこない。

限界が近いのか、坂本は葛西を締めつけてきた。
葛西も腰を進めて、自身の限界へと進む。

「ああ・・!あ!あ!も・・・!!」
「ああ、イッちまえ」

葛西は殊更強く坂本へと打ち付けた。

「ああー・・・っ!!」
「く・・・っ!!」

坂本の締まりがきつくなり、葛西も坂本と同時に果てた。









>>Next